2018年8月号<社員の睡眠改善>


睡眠不足は、疲労感・情緒不安定化・判断力鈍化など、生活の質にマイナスの影響を及ぼします。近年では、睡眠不足が、がん・糖尿病・認知症・うつ病などの発症・悪化要因になることや、事故を引き起こす要因になることが知られてきました。一方で、良質で適切な睡眠が、心身のメンテナンスや、起きている時間帯のパフォーマンスの向上にプラスの影響を与えることも明らかになっています。

昨年には、「睡眠負債」という言葉が新語・流行語大賞(※)を受賞するなど、睡眠に対する社会の関心は高まっています。

「安全配慮義務」の観点から一歩進んで、「社員のモチベーション向上や生産性向上による業績拡大」の観点から、本号では、「企業として社員の睡眠改善にどのように取り組んでいくべきなのか」を探ります。

※正式名称:「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞




解説編
1 仕事と睡眠

○睡眠不足が引き起こす職場の問題
○睡眠は個人だけの問題ではない
○企業ができる取り組み
○個人が実践できるよい睡眠習慣
○睡眠は技術

2 睡眠の基礎知識
○睡眠の役割
○睡眠への関心の高まり
○2種類の睡眠…レム睡眠とノンレム睡眠
○2種類の睡眠調整法

3 睡眠障害
○不眠症
○過眠症
○概日リズム障害
○無呼吸症候群

4 勤務間インターバル制度
○勤務間インターバル制度の導入割合
○休息確保が企業の努力義務として施行される
○勤務間インターバル制度に対する助成金

5 睡眠不足による事故防止対策の強化
○睡眠不足の乗務員を乗務させてはならないことの明確化
○点呼簿の記録事項に睡眠不足状況を追加


事例編
社員の睡眠改善への取り組み
1 GMOインターネットのケース
2 スターフェスティバルのケース
3 ヴァンテージマネジメントのケース



資料編
1 睡眠の実態
○1日の平均睡眠時間
○睡眠の質
○睡眠確保の妨げ
○起床・就寝時間(平日・休日)
○自分の睡眠への満足度
○よい睡眠のためのこだわり

2 健康づくりのための睡眠指針
○睡眠と覚醒のリズムにメリハリを
○良い睡眠のための環境づくりを
○勤労世代は毎日十分な睡眠を



判例編
1 注意・指導による改善可能性が低い社員に対する試用期間中の解雇
2 無理な運行計画による交通事故を理由とする懲戒解雇
3 基礎疾患を有する社員のくも膜下出血発症の業務起因性


連載編

賃金の諸相(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第23回 65歳定年制と賃金(6)