2021年1月号<標準生計費と物価指数>


「賃金の公正化」のためには、仕事・役割・成果に準拠する「労働対価の原則」、能力・職業意識・フレキシビリティに準拠する「労働力対価の原則」、そして生活に準拠する「生活保障の原則」の“3原則”に基づいて検討しなくてはなりません。

「生活保障の原則」を時代遅れとみなす風潮があります。しかしながら、企業は、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」も「最低賃金法」も遵守しなければなりません。また、従業員の生理的欲求や安全・安定欲求を充足させなければ、モチベーションが低下しますから、生産性の観点からも「生活保障の原則」は相変わらず重要です。

本号では、「生活保障の原則」の中心的指標となる最新の(2020年12月時点で公表されている)「標準生計費と物価指数」を特集しています。




資料編

地域別の生計費と物価指数

●全国の2020年4月の標準生計費
・1人世帯:110,610円
・2人世帯:153,040円
・3人世帯:176,230円
・4人世帯:199,420円
・5人世帯:222,640円

●主要都市の2020年4月の「4人世帯」の標準生計費
・札幌市:197,790円
・仙台市:211,166円
・東京都:241,080円(2019年4月)
・新潟市:168,320円
・金沢市:181,150円
・名古屋市:230,210円
・大阪市:171,410円
・松江市:207,550円
・高知市:188,050円
・福岡市:220,740円
・那覇市:163,710円

●消費者物価地域差指数
・地域差指数が高いのは、東京都区部(105.4)や横浜市(104.7)やさいたま市(102.7)など
・地域差指数が低いのは前橋市(96.7)や奈良市(97.1)、佐賀市(97.2)、鹿児島市(97.3)など



判例編

賃金決定をめぐるトラブル

●コース別雇用制の総合職・一般職区分は男女の区分であったか
●賃金総額25%減額の合意成立は認められるか



コロナストレス

連載編

賃金の諸相(明治学院大学 名誉教授 笹島芳雄)
第51回 コロナ危機と労働・雇用・賃金(8)